2021年の夏、『OUR TeRaSu』が盛り上がったプロジェクトの代表格は、バスクに在住の日本人・榎奥マコトさんが、約5週間かけて、スペイン800キロの巡礼路を歩くプロジェクト。

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マコトさんは、スペイン・バスク在住で、コーディネーターや料理人など多彩な仕事をしています。現地の言葉や文化に精通するマコトさんが、日本の法被を着て、スペインの巡礼路を歩き、地域ごとに異なる食文化や、人々との交流をレポートしました。
プロジェクトの参加者は、SNSを通じてアップされる記事やライブ中継を通じて、マコトさんと旅をしているような気分に。チャコリワインやイベリコ豚を味わいながら、現地の風を感じた人もいたのではないでしょうか。

さて、そんなチャレンジを終えたマコトさんが一時帰国しました。2022年1月7日、日常が戻りつつあった時期に、リアルイベントを緊急開催。その様子を紹介します。
開場は、クラウドファンディングプラットフォーム『OUR TeRaSu』を応援する『SEE THE SUN』本社。神奈川県葉山町にあり、ここは海と山に囲まれ、どこかサンセバスティアンにも似ています。


■巡礼は「歩く速度」で、スペイン文化に触れられる

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(左から3番目より)OUR TeRaSu代表・金丸美樹、榎奥マコトさん、バスクの民族衣装を着ているのは、チャコリ伝道師の高橋綾乃さん、いろはワイン代表・寺田徹さんほか、バスク地方を愛する日本人たちの乾杯でスタート。掛け声は、スペイン語で乾杯の「salud!」(サル―)。

マコトさんのトークショーからスタート。まずは巡礼についてです。
「800キロの徒歩巡礼は今回が3回目です。1回目は大学生の時。“歩く速度で”スペインを見たいと思ったから。歩くと、植物、人、動物などの距離感が近くなります。自分とスペインの文化や風土が一体化するような気持になります。
2回目は2011年の震災の後。祈りの気持ちを持ちながら踏破したのです。僕が日本人だとわかると“大丈夫か?”“元気を出して”などと声をかけてくれて、その思いが心にグッときました。
3回目の巡礼は、コロナで誰もが大変な思いをしているから。スペインは観光が主要な産業のひとつで、どこも大打撃を受けました。巡礼をしていた時も現在も、僕が見る限りでは、ヨーロッパでは、コロナ規制はかなり緩和されています。屋外ではマスクをしなくてもいいですしね。日常に戻りつつあるスペインの風景を、巡礼を通じて見られたことはよかったと思っています。
ケガをしたり、アクシデントがあったりして、なかなか大変な巡礼でしたが、皆さんが応援してくださると思うからこそ、ゴールまで到達できたと思っています。誰かのために力を振り絞るというのは、底知れぬ力が湧いてくるとも感じました」


■家紋を染め抜いた法被でゴール

ゴールの広場で一升瓶を持って歩き、振る舞い酒もしました。
「日本文化を伝えるには、日本酒がいいだろうと、このプロジェクトを応援してくれた浪乃音酒造の『浪乃音』(滋賀県大津市)を持って行きました。最終目的地・サンティアゴに到着した日に、巡礼仲間と広場で乾杯したんですよ。配信や動画を見ていた方からも、たくさんの感想をいただき、とてもうれしかった!」

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マコトさんは日本の家紋デザイナーさんがデザインした、「SEE THE SUN」の法被を着て巡礼した。

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サンティアゴのゴールの広場で。


イベントでは、日本酒『浪の音』もチャコリワインもふるまわれました。
フードはマコトさんの紹介で鎌倉の名料理店『アンチョア』が、このために北スペインのピンチョスを用意。

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バカラオ(干し鱈)や、オリーブの串刺し・ヒルダ、トルティーヤなどがズラリ。
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チャコリワインも登場。チャコリおじさんこと、寺田さんや、チャコリ伝道師・高橋さんがチャコリの魅力を語りました。この日は、高橋さんがワーホリで働いたスペイン・バスク州・アラバ県    オコンド村のワイン農園の『ピルピル』が人気。これは、オンダラビ・スリという品種のブドウを使用しています。クジラ柄のボトルもおしゃれ。


■スペイン人はなぜ、いきいきと楽しそうにできるの?

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仲間と巡礼宿で。

マコトさんの巡礼プロジェクトで私たちは、スペインの風景とともにスペインの人々が生き生きとしていることを感じました。
「そうですね。やはり“今を生きる”ことに全力投球しているからだと思います。もちろん、その背景には、戦争や内戦などの歴史もあるのですが、悪い未来を考えず、過去を振り返らず、今を生きている人が多い。
一期一会、ではありませんが、巡礼者である僕を励ましてくれたり、気軽に声をかけてくれたり、人に親切にできるんだと思います。
日本にいると、“空気を読んで”行動する人が圧倒的多数だと感じます。自分がやりたいことよりも、“みんなの正解”を推測して、それを選択するような生き方を選ばざるを得ないことが多々あります。
スペイン人は真逆です。困っていたら手を差し伸べるし、お店に入ったら“こんにちは”と店員さんに声をかける。コミュニケーションが活発なのです。
これはコロナ初期に外出禁止令が出たときも同じでした。一人暮らしのお年寄りに、“何かしようか”とみんなでサポートしていました。気遣いが、自然に行動にできる。日本だと遠慮したり、されたりして、そうはいかないですよね」

巡礼を通じて、コロナの終息と、日常への復帰を祈り続けたというマコトさん。私たちも、マコトさんを通じて、その思いを強くしました。
そして今回、このイベントを通してひとつの時間、空間を共有し、気持ちと心を強くもちました。制限があっても、ワクワクする気持ちや好奇心を持ち続け、今日も前へ進んで行こうと気持ちを強くしたのです。